個人再生ができない3つのケース

「個人再生をしたいけど自分のようなケースは適用されるのか?」

「個人再生できないケースって例えば?」

個人再生とは、持ち家を手放さずに借金を減額できる法的な債務整理法です。

もちろん必ずしも適用されるとは限りません。

支払いに追われる状態から起死回生を図りたい!だけど、持ち家は手放したくないといろいろ調べているあなたへ、自分には個人再生が適用されるのか、気になるところですね。

この記事では、個人再生が適用できないケースを中心に、手続きの段階上でありがちなケースを説明していきます。

個人再生の2種類

個人再生は「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類に分けられます。

最低でも返済しなくてはならない金額と、カード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)の同意が関連しきます。給与所得者再生はカード会社の同意は不要です。

 

給与所得者再生とは、サラリーマンなど将来的に安定した収入があり、その収入も変動が少ない人が適用することができます。

ただし、給与所得者再生は可処分所得2年分という条件が追加され返済額が高くなるケースが多いため、小規模個人再生を選ぶことになります。

 

したがって、どちらかというと、ほとんどがこの小規模個人再生で手続きされます。

個人再生の「大前提」となる要件を満たさないケース

個人再生は、大前提として将来を見通して継続的な収入を得ることの見込みがたたない人は、基本的な要件を満たしていないため個人再生ができません。

 

また、民事再生法22条で「5000万円要件」と呼ばれる5000万円以上の借金に対しても個人再生は適用されません。ただし、住宅ローンはこの5000万円外とみなされます。

 

そのほか、返済総額が弁済額(返済しなければならない金額)の最低ラインを下回っている場合も要件を満たしてないことになります。個人再生では返済予定の総額のうち、最低限の支払い金額が定められています。

 

多くのケースで借金の1/5になりますが、借金の総額によって率は変動します。

(弁済額は100万円を下回ることはできない)

例えば、100〜500万円のものは→100万円に。

500〜1500万円のものは→総額の1/5になるイメージです。

加えて個人再生という名にもあるように、個人の手続きに対して認可されるものなので、法人の債務処理には適用外です。上記、これらの事項が再生手続き開始要因として定められています。

他にはというと、基本的なことですが裁判所に提出する書類の提出期限が守れない場合も申し立ては認められないことになりますので必要書類の準備には注意が必要です。

ちなみに必要な書類とは次のようなものです。

・債権者一覧表

・担保不足見込額

・住宅資金貸付債権

・住宅資金特別条項(利用する場合)

個人再生手続きが開始されてから申し立て棄却になるケース

予納について

再生手続きの費用が予め納められていない場合には裁判所は、個人再生手続きの申し立てを棄却することになります。

再生計画の認可(小規模個人再生の消極的同意)について

カード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)の半数の同意がなければ、再生計画案は不認可とされるため個人再生はとおりません。

 

“消極的同意”ということがありますが、これはカード会社の頭数というだけではなく、カード会社があなたに貸している額も影響してきます。

どういうことかと言いますと、同意したカード会社たちが抱える貸し出し額の合計が、あなたの債務額合計の半分以上を占めていない場合も、個人再生は手続きがとおりません。

加えて、もしも反対したカード会社が1社だけだったとして、その1社があなたに貸している額が全部の債務額の半分以上を占めていた場合も個人再生は棄却となり個人再生できないケースとなります。

例をあげてみましょう。

あなたがカード会社などに以下の借り入れがあったとしましょう。

①Aカード会社・・・ 50万円

②Bカード会社・・・100万円

③Cカード会社・・・150万円

④Dカード会社・・・200万円

⑤Eカード会社・・・250万円

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

総額は750万円です。

 

 

 

A社、B社、C社が同意してくれたとしましょう。

半数が同意をしている状態ですが、3社の総額は300円で債務総額の半分を占めてはいないこととなり、この場合は否決となります。

 

また、D社とE社が同意して債務総額が半数金額以上であっても、同意社数が半数に満たないため否決され、個人再生手続きができないケースとなります。

 

債権者平等の原則について

裁判所は、債権者平等の原則を用いて個人再生を裁決します。

もしあなたが、個人再生の申立直前に特定のカード会社のみに借金返済をした場合は、その返済した額も最低弁済額に加えて再生計画を立て直さないと不認可となります。

認可決定要因とは?

あなたが借金の減額許可を受け再生計画案を提出し、それを裁判所に認可してもらう必要があります。認可は、再生計画認可決定という裁判によって議決されます。

この認可要因で、借金の減額及び分割が叶う再生計画が法的に効力を持つことになります。

さらに、再生計画認可の確定となるのはこの議決が官報(日本国の機関紙である。国としての作用に関わる事柄の広報および公告のためのもの)に公告されてから2週間経過した時点で再生計画認可決定は確定となります。

 

官報紙面で実際に掲載されるまでも2週間くらい要しますので、さらに掲載期間2週間が条件となると確定日はおよそ1か月後くらいと考えられます。

履行テスト

個人再生の手続きは裁判所に申し立てを行ってから約6ヶ月ほどかかります。

この期間中に、定期的に返済していけるかどうかを裁判所が判断するため履行テストと呼ばれるものがあります。

このテスト期間中は、個人再生によって計画された毎月の返済額と同額を払って行くことが試されます。

弁護士や司法書士が、あなたから手続きの依頼を受けるとカード会社へ受任通知が送られます。この行為により、今までの返済や督促は一旦ストップさせることができるため、さらなる上乗せで履行テスト中の返済がかかってくるわけではありません。

もしも、テスト期間中に支払いをしなかったり、遅延をしたとすると個人再生ができない可能性が出てきますので注意が必要です。

この履行テストでの支払い分は、個人再生の費用や依頼費用に充当され、過払い分が出た場合には戻ってきます。

個人再生が認可された後でも取り消されるケース

財産の隠ぺい、虚偽報告

所有している財産の隠ぺいや虚偽の報告が発覚した場合は、手続が廃止され認可が降りた後でも取り消しとなります。

せっかく交渉して減額した借金も元の金額に戻されますし、カード会社へも益々不信感を印象付けることになってしまいますので絶対に不正行為はやめましょう。

再生計画どおりの返済が実行されない

再生の認可がされた後で、再生計画に基づき返済実行期間は3〜5年ありますので、途中であなたの都合ではなく外的要因で、のっぴきならぬ事情が発生し、再生計画どおりの返済が続けられなくなってしまうことがあり得ます。

 

再生計画どおりの返済が実行されなかった場合、また返済できない期間が長引いてしまった場合は、カード会社が裁判所にその旨を報告することになります。

 

これによって裁判所に再生計画取り消しが言い渡されるケースもあります。

計画自体が取り消されると認可決定された減額や分割払いの許可も取り消しさせられ、再生手続きをする前の状態に戻されることになります。

財産の贈与や営業等の譲渡を同意を得ず受けた場合

これらのことが発覚した際は取り消されます。

個人再生には、清算価値保障原則と呼ばれる原則が存在します。

 

もしあなたが個人再生をする場合、財産などは必ずしも処分の対象としなくてはならないわけではありません。

しかし、財産・資産価値相当分の返済も主張できないとなると、債権者(カード会社)にとってはあまりにもひどい話となってしまいます。

そこで、財産の換価処分ということがなされ、弁済にまわすとされるのが清算価値保障原則ということです。

個人再生を試みる場合には、覚えて起きたいことの1つです。

個人再生が取り消されたらどうすればいい?

返済ができなくなる事態で、裁判所から再生計画の途中で取り消されてしまったら、再生計画の変更を申し立てることができます。これは再生計画が取り消される前に申し出ましょう。

再生計画の変更は認可で定められた返済期限を,規定の最終期限から2年以内までで延長してもらえます。

ただし、やむを得ない事情によって再生計画の遂行が著しく困難であることが必要とされていますし、再生計画の変更は弁護士費用も当初と同額程度かかる上、時間もかかります。

また別の処置をあげるならば、ハードシップ免責と呼ばれる条件に則った免除もありますが、利用条件が特に厳しく活用されるケースは少なく、他の債務処理(任意整理・自己破産)を選択されるケースが多いです。

 

 

個人再生できないケースまとめ

・将来的に安定した収入が見込めない人は認可されない

・5000万円以上の借金に対しては適用外

・カード会社の半数の同意がなければならない

・認可された後に返済が著しく滞った場合は棄却

・財産の隠ぺいや虚偽報告の事実が発覚した場合

個人再生ができないケースがお判りいただけたと思います。

 

実際にあなたが、債務処理手続きを進める進捗段階において、認可のための条件をクリアできているかどうか?によってケースは変わってきます。

 

弁護士や司法書士が認可されると判断すれば個人再生自体はそんなに難しい規定ではありません。ただし、個人再生は認可されることが目的ではなく、再生計画どおり完済できた時にはじめて成功と言えるでしょう。

のっぴきならない事情により再生計画遂行の断念を強いられるケースもあるので個人再生をする人の20%が個人再生できないケースとなっている統計があるのも事実です。